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完結済.

未来へのわすれもの

松山 さくら

全5話[30,733文字] 純文学〔文芸〕
作品梗概
 高校生の娘をある日突然、事故で失った主人公の明日香。呆然としたまま葬儀が終わり、仕事が手につかずにいたある日、二階の由美の部屋から物音を聞く。不審に思って駆けつけた明日香の目の前に転がっていたのは、万博の公式キャラクターのぬいぐるみ。万博に行ったはずのない由美の部屋からぬいぐるみが見つかり、明日香は首を傾げた。
 最初のうちは娘を亡くしたショックで、家に籠っていた明日香だったが、それも苦痛になり、近所のスーパーでパートを始めた。そこで明日香は一人の少女に出会う。少女の名前は優里、聞けば由美と高校のクラスメイトだという。その由美は、由美の生前に交換していた日記帳を、明日香に託した。
 思えば、由美は幼い頃から自立心の強い娘だった。いつしか明日香たち夫婦の手を離れ、好きなことや勉強に一生懸命になっていたが、日記帳には由美が将来のことや恋に悩む姿が綴られていた。明日香は、決して自分たち夫婦の前では見せなかった由美の本当の姿を知って、由美の思いに寄り添えなかったことを後悔した。
 そんなとき、由美宛の一通の郵便が届いた。『花山良子』と言う差出人に、明日香には見覚えはなかった。だがその正体は、由美の友人の優里から知らされることになった。その人は、由美が必死に自分探しをする中で、出会った老女だった。
 老女の家を訪れた明日香は、彼女に自分の思いを打ち明けた。そして、由美が万博に行きたがっていたことを知った。万博は未来を夢見る場所。明日香は、由美が万博に行こうとしていた理由を真剣に考えた。そこで明日香が思い至ったこと、それは大好きな母親と一緒に未来の世界を体験することで、新しい世界に飛び込んでいくための後押しをして欲しいと、由美が願っていたことだった。いや、由美なき今となっては、むしろ明日香自身が、悲しみを乗り越えて先に歩んでいくために、万博に行くことを望んでいたのかも知れない。
 そして、ついに明日香は決断した。由美の『未来へのわすれもの』を見つけるために、万博に行くことを。そこで明日香を待っていたのは、未来の姿をした由美だった。明日香は、ディスプレイの中の由美と言葉を交わすことで、悲しみや苦しみを乗り越えて、未来へと踏み出す勇気をもらった。
☆本作品は、『未来行万博開催中』(幻冬舎ルネッサンス)に次ぐ、万博シリーズ二作目です。(原稿用紙換算87枚 30786字)

万博 未来
全5話[30,733文字]
各話平均6,147文字
[推定読了1時間2分]
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最新作投稿:2026年07月10日(19:00:00)
 投稿開始:2026年07月06日(19:00:00)

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