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連載中.

フライング・マーメイド ~ 海底から空へと飛んだ人魚の物語

奥雪 一寸

全72話[248,485文字] ハイファンタジー〔ファンタジー〕
 海に続くなだらかな斜面の街に、その宿屋はある。
 海を一望できる高台に建つ、貝殻のように白い大きな宿屋であった。
 都市のうちでも、一番海から遠い場所なのに、宿屋の入口に下げられている、やや黒ずんだ真鍮製の看板には人魚が彫られていた。
 純白の建物は四階建てと大きく、まるで貴族の邸宅のようで、格調高そうな宿屋に見えるが、その宿屋は、旅行者から行商人、冒険者まで気軽に受け入れている。勿論、宿の中で騒ぎを起こさない限り、という制限付きだが。
 それを破ると。
 説明するのには丁度タイミングが良いようだ。今もちょうど、宿の扉が開き、昼間から酔っ払い、他の客に迷惑を掛けた人物が、オーナーである女性に文字通り放りだされたところだ。
その人物は誰に聞いても、怒らせると取り返しがつかないと言う筈だ。彼女自身、宿を経営する傍ら、最前線で世界の秘密と神秘に挑戦し続ける、現役の冒険者であるからだ。
 そして、彼女は少し、変わっていた。
 初見で見たひとが、まず目を引かれるのは、常に宙に浮いていることだ。そして、次に、彼女の下半身が魚であることに、気付くのだ。
「酒飲んで他の客に絡んでくだをまくなら、港で船乗り相手にやりなさい」
 眉根を寄せる怒った顔をしていても出る、濁りなく凛と通る声は、正真正銘、人魚である証拠だ。
 それから、彼女は、入れ違いに宿泊客がやってきたことを目敏く見つけると、怒りの表情も何処へやら。満面の笑顔で出迎えるのである。
「お客様、《飛翔する人魚亭》へようこそお越しくださいました。長旅お疲れ様でした。部屋はまだ空いていますよ」
 そう言いながら。

 これは、人魚の彼女が、海を出て陸に上がり、その宿屋を経営するまでに辿った冒険の日々と、宿屋を経営しはじめてから経験した、数奇な体験を綴った、そんな物語である。

冒険 女主人公 人外 西洋 中世 魔法
全72話[248,485文字]
各話平均3,451文字
[推定読了8時間17分]
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評価人数:4人(平均3.5pt)

最新作投稿:2023年10月30日(20:00:00)
 投稿開始:2022年03月25日(20:00:00)
 投稿期間:1年7ヶ月

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