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完結済

空白の島と、ハザマダ ブンガク

木下望太郎

全12話[29,419文字] ヒューマンドラマ〔文芸〕
 心の内をのぞいてみせる、奇妙な男に私は出会った。
 かつて別れた恋人が亡くなった、その知らせを受けて訪れた、恋人の故郷の島で。

 シルクハットをかぶった、奇妙な男は言い当てた、私が島を訪れた理由を。
「見つかるとよろしいですな。『空白を埋める言葉』」

 私は空白を抱えていた、かつての恋人が死んだと聞いても、何の感情も湧かなかった。空白だけが居座る胸の内を埋める何か、『空白を埋める言葉』を探して、恋人の故郷へと来たのだった。

 そして奇妙な男は、その旅に同行を申し出る。ハザマダ ブンガクと名乗るその男は。

「お探しのもの見つかるように、このブンガクがお供します。お嫌なら、ま、結構ですが。ただしゆめゆめ忘れぬように、人は誰しも一人とて、文学からは逃れ得ぬこと。それはまるで自身の影から、いやいやまさに自身から、決して逃れ得ぬように。えぇ、決して」

 ブンガクはひざまずくように、うやうやしく礼をしながらそう言った。シルクハットを取りもせずに。

 喪失と空白と、小さな島と。心と言葉をめぐる、小さな旅が始まる。

全12話[29,419文字]
各話平均2,452文字
[推定読了0時間59分]
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最新作投稿:2023年03月30日(19:00:00)
 投稿開始:2023年02月18日(22:02:40)
 投稿期間:1ヶ月


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