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データ取得:2024/05/03未明

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短編

花泥棒カチューシャ

ねこじゃ じぇねこ

全1話[11,740文字] ハイファンタジー〔ファンタジー〕
 良い花の条件とは見た目の美しさのみならず人間に従順である事。良血花の妖精として生まれたシュシュは、幼い頃より育ての親の人間たちにそう言い聞かされて育った。シュシュは信じていた。美しい女主人フェロニエールに高値で買われ、未来を約束された自分は幸せなのだと。けれど、そんな日々はフェロニエールの死によって突然終わりを告げた。遺産の一部としてフェロニエールの妹バレッタに引き取られたシュシュは、初めてその立場に違和感を覚えるようになった。優しく愛してくれたフェロニエールと新しい主人バレッタは違う。姿の似た姉妹であっても。心あるものとして接してくれないバレッタに懐くことが出来ず、過ぎ去りゆく時間の中、シュシュは亡きフェロニエールの思い出にすがりながら、悲しみと苦痛を抱いて過ごしていた。
 ちょうどその頃、巷では妖精買いの人間たちを脅かす存在が現れていた。良血花の妖精ばかりを狙う女怪盗カチューシャである。分かっているのはその名前と仮面で素顔を隠す妖艶な容姿だけ。人間とも魔女とも呼ばれるカチューシャは、次々と花の妖精たちを攫っていくらしい。カチューシャに攫われた花たちがどうなってしまうのかは不明のまま。シュシュはそれを恐ろしく感じていたが、新しい主人との暮らしが続く中、段々と願うようになっていった。
 この身がどうなろうとも、いっそのことカチューシャに攫われてしまいたいと。そんな願いが通じたのか、シュシュのもとにカチューシャは現れた。

シリアス 女主人公 妖精 主従
全1話[11,740文字]
各話平均11,740文字
[推定読了0時間24分]
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評価人数:7人(平均3.9pt)

最新作投稿:2021年06月12日(13:12:47)
 投稿開始:2021年06月12日(13:12:47)


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