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データ取得:2025/05/19未明

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N9912KJ 8pt
短編

少女の祈り

雉白書屋

全1話[995文字] その他〔その他〕
 世界情勢は悪化の一途をたどっていた。国と国との摩擦が散らした火花は、各地で燃え盛る戦火となり、巨大な爆薬庫へと続く導火線を貪り続けている。終末時計の針は無情にも進み、核戦争の危機が迫っているのは、もはや誰の目にも明らかであった。たとえ、それが幼い少女の澄んだ瞳であっても……。
 夜、ベッドの中で少女は不安げに母の顔を見上げ、声を潜めて訊ねた。

「ねえ、ママ……明日、世界は終わっちゃうの?」

 母親は一瞬言葉に詰まり、柔らかな笑みを作って答えた。

「そんなことないわよ……」

「でも、みんながそう言ってるよ? 朝起きたら、核戦争が始まってるかもしれないって」

「大丈夫よ。いざとなったら神様が止めてくださるから……」

全1話[995文字]
各話平均995文字
[推定読了0時間2分]
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最新作投稿:2025年05月03日(11:00:00)
 投稿開始:2025年05月03日(11:00:00)


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