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完結済.

追放された侯爵令嬢の契約婚。書庫に届く湯気の理由を、私はまだ知らない

月雅

全10話[28,596文字] 異世界〔恋愛〕 転生
誰にも名前をつけてもらえなかった仕事がある。

備蓄の管理。予算の帳尻合わせ。外交書簡の整理。 アルセーヌ王国の宮廷で、エステルが続けてきた仕事はすべて聖女の功績に書き換えられ、最後には身に覚えのない罪で宮廷を追われた。

行き場をなくした元侯爵令嬢が差し出されたのは、隣国の公爵家との期限付きの契約結婚だった。

残り一年。 その期限の中で、エステルは騎士団の荒れ果てた備蓄倉庫に手をつける。 棚卸し、帳簿の整備、補給路の見直し。 前の人生で総務課主任だった記憶が、羽根ペンとインク壺の世界で静かに動き始める。

寡黙な公爵は多くを語らない。 けれど夜の書庫に湯を届け、蝋燭を明るいものに替え、委任の範囲を少しずつ広げていく。 契約の義務にはどこにも書かれていないことばかりだ。

なぜこの人は、こんなことをするのだろう。

エステルがその疑問の答えに近づくとき、公爵家の金庫には二年間隠されてきた文書が眠っている。 そしてその文書の意味を知ったとき、築き上げた信頼は根底から揺らぐことになる。

優しさの理由を知ってもなお、隣にいたいと思えるのか。

異世界転生 女主人公 西洋風 契約結婚 婚約破棄 ざまぁ 内政 すれ違い 溺愛 じれじれ
全10話[28,596文字]
各話平均2,860文字
[推定読了0時間58分]
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評価人数:52人(平均4.3pt)

最新作投稿:2026年03月01日(12:01:21)
 投稿開始:2026年03月01日(12:00:07)

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