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N9509JU 126pt
完結済.

二人のフィーナ

ねこまんまときみどりのことり

全12話[46,907文字] ヒューマンドラマ〔文芸〕
ある雨の街角に、傷ついて地に横たわる小さき者をみつけた。私は護衛と馭者、私を監視する者に言う。

「この者を私の邸へ運びなさい。否やは聞かないわ」

護衛のダドリーは小さき者を抱えたまま馬車に乗り込む。私はそのまま座るように命じた。運転は監視者と馭者がいれば十分だ。

馬車は再び酷い雨の中を走り出す。

私は確かに公爵家の娘だけれど、愛人と本邸に住まう父から嫌われて別の場所で暮らしている。本邸からかなり離れた森の中の家だ。

母はもうとっくに父に愛想を尽かし、離婚できないならと外国に渡っていた。愛する護衛騎士と一緒に、語学を学ぶ為だと言って。その彼との間に娘がいるらしいが公爵家では認知されていない。下手に騒げば全員いなくなることだけは理解しているらしい。

だから私のまわりには護衛1人と侍女1人、馭者1人、他に父が私に付けた執事と言う名の監視者が1人いる。

そして今日。
先ほど拾った小さき者を邸に入れた。
彼女の体は冷たく虫の息だ。
弱りきった痩せた体で雨に打たれていたのだ。
そうなるのも当然のこと。

護衛のダドリーは治療の心得があるから対応を任せた。
彼は妻である侍女マリアに濡れた体を拭かせ、着替えをさせた。小さき者は意識がなく脱力したままだったが、それをものともせず丁寧に身なりを整える。

ダドリーはその間に湯を沸かし、解熱剤と湯タンポを作っていた。薬草を潰した薬汁をガーゼで口に含ませる。飲み込めないから、舌で吸収させるだけだ。そして冷たい体を保温することに努めた。

あのままでは確実に命を落としていたはずの小さき者は、この日一命を取り留めたのだ。




今日のこの出会いが、2人の運命を変えていくのだった。

ESN大賞8 SQEXノベル大賞2 公爵令嬢 庶子 逆行 公爵 国王 伯爵 愛人 裏切り
全12話[46,907文字]
各話平均3,909文字
[推定読了1時間34分]
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評価人数:12人(平均4.1pt)

最新作投稿:2025年01月28日(19:02:16)
 投稿開始:2024年12月01日(11:13:53)
 投稿期間:1ヶ月

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