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短編.
「わたくしがいない日の家計簿を、十年書き続けておりました」
歩人
全1話[8,204文字] 異世界〔恋愛〕 転生家令の着服癖、妹の浪費傾向、父の投資判断の甘さ——十年間、彼女が家から消えた後の金の流れを、日付単位で予測し続けた。
婚約者の公爵子息は「令嬢が帳簿などつけるのは見苦しい」と婚約を破棄した。リゼロッテは二冊の帳簿を父の机に並べ、辺境の母方の伯母のもとへ去った。
父は一冊目を開き、笑った。綺麗な家計簿だった。
二冊目を開いた瞬間、笑いが消えた。今月の支出が、日付まで的中していた。
四十三日後、ベルナルト家の食器棚が空になる。九十二日後、小麦の蔵が尽きる。百六十七日後、領地の税収が予測の下限を割る。
(各話平均8,204文字)
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最新作投稿:2026年04月30日(19:00:00)投稿開始:2026年04月30日(19:00:00)
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