Nコードで小説の詳細情報を検索
ちょっと面倒だなという方へ

データ取得:2025/07/11未明

おしらせ

新ツール『時間毎PVカウント保存ツール』是非登録お願いします。

N8508KR 10pt
短編

海に沈んだ村

江戸前餡子

全1話[1,120文字] ホラー〔文芸〕
 仕事で「海に沈んだ村」の噂を追う主人公は、蒸し暑い田舎の電車に揺られ現地へ向かっていた。

 クーラーもない車内、汗と湿気がまとわりつく中、イヤホンのバッテリーが切れ、耳栓代わりに着けたまま海の輝きを眺めていると、突然イヤホンから水泡のような不気味な音が響く。気にも留めず窓に目をやると、トンネルの暗闇に映る自分の顔の隣に、ずぶ濡れの老人が現れる。青白い顔、ギラつく目、腐臭を放つその姿に凍りつくが、振り返ると老人は消え、代わりに一人の女性が立っていた。安堵したのも束の間、彼女は冷たく「それは、未来の貴方よ」と告げ、不気味な笑みを残して去る。

 動揺しつつ席に座ると、びしょ濡れの座椅子の冷たさに驚き、車内が異様に静まり返っていることに気づく。乗客は消え、全ての座席が水浸しで変色し、床には水滴が滴る。再びイヤホンから響く水泡の音。今度ははっきりと「こっち…おいで…」という声が聞こえ、振り返ると、そこには痩せこけた自分の姿をした老人が立っていた――。

「海に沈んだ村」の謎が、主人公を恐怖と不可解な現象の渦へと引きずり込む。

夏のホラー2025 ダーク 男主人公 現代 バッドエンド ホラー
全1話[1,120文字]
各話平均1,120文字
[推定読了0時間3分]
お気に入り登録:0件

評価人数:2人(平均2.5pt)

最新作投稿:2025年07月03日(22:26:34)
 投稿開始:2025年07月03日(22:26:34)


ページのトップへ戻る