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短編

祖父の遺品から出てきた八ミリフィルムに映っていたのは、隣に住む無愛想な映画監督の『初恋の人』だった件〜六十年越しの届かなかった恋文が、私たちを引き合わせました〜

uta

全1話[11,678文字] 現実世界〔恋愛〕
祖父の遺品整理で見つけた古い八ミリフィルム。そこに映っていたのは、驚くほど美しい若き日の祖母だった。

藤野凛、二十九歳。彼氏なし、趣味なし、取り柄なし。元彼には「退屈」と振られた、正真正銘の地味なOL。そんな私の平凡な日常は、あのフィルムを再生した瞬間から一変する。

「——その女性は、誰ですか」

窓の向こうから鬼気迫る表情で問いかけてきたのは、隣に越してきたばかりの無愛想な男。近所では変人と噂される彼の正体は、新進気鋭の映画監督・瀬尾蒼真だった。

彼もまた、子供の頃に同じ映像を観ていた。名前も知らない、夏の縁側で笑う女性。その姿に心を奪われ、映像の道を志したのだという。

なぜ二人の祖父は、同じフィルムを持っていたのか?
祖母と蒼真の祖父の間には、何があったのか?

遺品の中から見つかった、六十年前に届かなかった一通の恋文。そこに綴られていたのは、戦後の混乱期に引き裂かれた切ない初恋の物語だった。

過去の想いを紐解くうちに、少しずつ近づいていく二人の距離。「退屈」だと言われた私を、彼は「一生かけても撮り尽くせない」と言った——。

六十年越しの届かなかった恋が、今、新しい恋を繋ぐ。

全1話[11,678文字]
各話平均11,678文字
[推定読了0時間24分]
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最新作投稿:2026年05月03日(20:00:00)
 投稿開始:2026年05月03日(20:00:00)

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