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完結済

熊蜂の飛行

佐藤山猫

全5話[10,766文字] 純文学〔文芸〕
 『熊蜂の飛行』ですか。有名なエピソードですよね。俺が大学受験する時に聞かされました。確かこんな内容だったはずです。

「クマバチという昆虫がいます。身体が大きく、その割に羽は小さい。理論上は、クマバチは空を飛ぶことができません。しかし、実際にはクマバチは自由に大空を飛び回っています。なぜそれができるのか。それは、彼らが『自分は飛べるのだ』と信じているからです。確信があるから、羽を一生懸命動かして空を飛ぶのです。
 受験を前にして、『自分に本当にできるのか』と不安に駆られることが、みなさんにもあると思います。そんな時は、この話を思い出してください──」

 感動的な話ですよね。
 でも、クマバチが飛べるのは彼らがそう信じているからなどではないんです。
 学者たちは、航空力学に基づいた計算をして、熊蜂は理論上飛べないと結論づけました。しかし、空気の粘性という、それまで知られていなかったファクターの見落としがあったんです。
 いまでは新しく理論が立てられ、クマバチが飛べる理由が解明されています。
 ですから、このエピソードは本来、「成功者は何らかの成功の因子を持っていて、それが一見して分からなかったとしても、実は成功した理由が隠れているのだ」と読みかえるべきなんです。
 夢も希望もあったもんじゃないですよね。

 蛇足かもしれないのですが、クマバチはホバリングをするために、絶え間なく羽を動かして飛んでいます。飛ぶことができる素質が隠れていたとしても、一生懸命羽を動かさないと墜落してしまうんです。
 

青春 シリアス 複数語り手 ビター 現代
全5話[10,766文字]
各話平均2,153文字
[推定読了0時間22分]
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最新作投稿:2023年03月06日(09:48:35)
 投稿開始:2023年03月06日(09:19:18)


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