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テルナ・ヴァイド -失われた神と残された記憶ー

なるかめ

全37話[156,959文字] ローファンタジー〔ファンタジー〕 残酷な描写有り 転移 転生

創造神が五百年前に姿を消した世界、テルナ・ヴァイド。

そこでは、人々は記憶を代償に魔法を使う。
強い力を振るうほど、失われていくのは、名前や約束、愛した人の顔、そして自分自身を形づくる大切な時間だった。

現代日本で緩和ケア病棟に勤める看護師・柳井蒼は、何人もの最期に立ち会いながら、自分が本当に誰かを救えているのか分からなくなっていた。

命を救えない。
苦しみの意味も説明できない。
それでも、ただ手を握り、隣にいることだけはできた。

ある夜、一人の患者を看取った蒼は、答えの出ない問いを抱えたまま、神のいない異世界へ落ちる。

そこで出会ったのは、銀灰色の髪と三日月形の傷を持つ魔法士、フィーナ・アルセン。

魔力を持つことが当然の世界で、蒼には魔力がない。
それにもかかわらず、彼は生きていた。

やがて蒼は、死者や物に残された記憶と感情の痕跡――「残響」に触れる力を持つことを知る。

痛み。
恐怖。
後悔。
愛情。
そして、最後まで守ろうとした想い。

それらを自分のものとして受け取る力は、誰かを救うためのものなのか。
それとも、死者の苦しみを背負い続ける呪いなのか。

蒼はフィーナとともに旅を続ける中で、記憶を売る人々、神の帰還を信じる者たち、世界を変えようとする者たち、そして五百年の時を生きる者たちと出会っていく。

誰も完全な正義を持たず、
誰も確かな答えを知らない。

記憶を失っても、愛した事実は残るのか。
正しい目的のためなら、犠牲は許されるのか。
過去を失っても、人は同じ人間でいられるのか。
命を救えなくても、誰かの隣にいることには意味があるのか。

失い、迷い、ときには傷つけ合いながら、蒼とフィーナは、神が消えた理由と、この世界に残された記憶の真実へ近づいていく。

これは、強さを手に入れて世界を支配する物語ではない。

答えを持たない者たちが、
それでも誰かの手を取り、
自分たちなりの生き方を選んでいく物語。

この世界に神はいない。
それでも、生きることを選んだ。

☆ 本作品はnoteでも同時掲載しています。

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全37話[156,959文字]
各話平均4,242文字
[推定読了5時間14分]
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最新作投稿:2026年09月24日(22:48:29)
 投稿開始:2026年07月03日(18:56:10)
 投稿期間:2ヶ月

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