データ取得:2024/05/20未明
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N5766IX
134pt
短編
短編
私達のねむり姫
ねこまんまときみどりのことり
全1話[3,241文字] 童話〔その他〕
「ミラン、もうお前は用済みだ。城から出ていけ!」
ラフラン王子が私を指差して言う。
「どうしてですか?」
私は聞いた。
「お前のような庶民で美しくもない女が、私の妃になれると思っていたのか? 浅ましい。 それにお前は生意気なのだ。事ある毎に贅沢をするなとか、税を上げ過ぎだとか。政治も解らない愚か者の癖に! 聖女の力で浄化や怪我が治せても、この国に住む民のお前が力を使うのは当たり前のことだろうが!」
私は王子と結婚したい訳じゃない。それなのに何度も正しい事を言って罵られるのは、辛い気分になる。近衛兵に止められる為に国王に上申することも出来ないし、そもそも聞くような方ではない。ラフラン王子にそっくりの性格だからだ。
それでも私は、言い続けた。
どうか正しいことを行うようにと。
でもそれは叶わず、床に私は引き倒された。
「私の妃になるのは、このマーガレット・ミルクス侯爵令嬢だ。聖女になった彼女がいれば、お前など用はない」
「ごめんなさいね、ミランさん。私の方が後から聖女になったのに、ラフラン様に選ばれてしまったわ」
銀糸の髪を手で巻き王子に隠れるように話す彼女は、私にしか見えないように微笑みを浮かべていた。
“マーガレット様こそ、慈愛の聖女だ”
そんな声があがり、私は諦めて城を後にした。
また駄目だったのかと、彼女は呟いた。
ラフラン王子が私を指差して言う。
「どうしてですか?」
私は聞いた。
「お前のような庶民で美しくもない女が、私の妃になれると思っていたのか? 浅ましい。 それにお前は生意気なのだ。事ある毎に贅沢をするなとか、税を上げ過ぎだとか。政治も解らない愚か者の癖に! 聖女の力で浄化や怪我が治せても、この国に住む民のお前が力を使うのは当たり前のことだろうが!」
私は王子と結婚したい訳じゃない。それなのに何度も正しい事を言って罵られるのは、辛い気分になる。近衛兵に止められる為に国王に上申することも出来ないし、そもそも聞くような方ではない。ラフラン王子にそっくりの性格だからだ。
それでも私は、言い続けた。
どうか正しいことを行うようにと。
でもそれは叶わず、床に私は引き倒された。
「私の妃になるのは、このマーガレット・ミルクス侯爵令嬢だ。聖女になった彼女がいれば、お前など用はない」
「ごめんなさいね、ミランさん。私の方が後から聖女になったのに、ラフラン様に選ばれてしまったわ」
銀糸の髪を手で巻き王子に隠れるように話す彼女は、私にしか見えないように微笑みを浮かべていた。
“マーガレット様こそ、慈愛の聖女だ”
そんな声があがり、私は諦めて城を後にした。
また駄目だったのかと、彼女は呟いた。
女神
聖女
使徒
王子
令嬢
全1話[3,241文字]
(各話平均3,241文字)
[推定読了0時間7分]
お気に入り登録:7件
投稿開始:2024年04月19日(10:36:35)
(各話平均3,241文字)
[推定読了0時間7分]
お気に入り登録:7件
評価人数:15人(平均4pt)
最新作投稿:2024年04月19日(10:36:35)投稿開始:2024年04月19日(10:36:35)
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