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百三十二回、黙って払いました。妹に婚約者を譲れと言われたので、鍵束を置いて出ます
灯月りた
全15話[53,848文字] 異世界〔恋愛〕
「お姉様は金遣いが荒いから」——妹はそう言って、わたしの婚約者を取りました。父も母も頷きました。
十一年。わたしは月に一度、家の借金を返し続けていました。百三十二回。自分の名義で、自分の持参金で、誰にも言わずに。
家族はその出金を「長女の浪費」だと思っていたのです。
わかりました。では帳簿と鍵をお返しします。名義も一緒に。
三月後、オルグレン伯爵家は破綻しました。返済していたのがわたしだと、誰も知らなかったからです。
——けれど本当に恐ろしかったのは、そのあとでした。返済先の商会に足を運んだわたしに、若き会頭はこう言ったのです。
「その借用書、十一年前から一度も有効になっていません」と。
わたしが返し続けていた借金は、最初から存在しませんでした。
十一年。わたしは月に一度、家の借金を返し続けていました。百三十二回。自分の名義で、自分の持参金で、誰にも言わずに。
家族はその出金を「長女の浪費」だと思っていたのです。
わかりました。では帳簿と鍵をお返しします。名義も一緒に。
三月後、オルグレン伯爵家は破綻しました。返済していたのがわたしだと、誰も知らなかったからです。
——けれど本当に恐ろしかったのは、そのあとでした。返済先の商会に足を運んだわたしに、若き会頭はこう言ったのです。
「その借用書、十一年前から一度も有効になっていません」と。
わたしが返し続けていた借金は、最初から存在しませんでした。
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ハッピーエンド
女性主人公
全15話[53,848文字]
(各話平均3,590文字)
[推定読了1時間48分]
お気に入り登録:6件
投稿開始:2026年09月10日(23:00:00)
(各話平均3,590文字)
[推定読了1時間48分]
お気に入り登録:6件
評価人数:1人(平均1pt)
最新作投稿:2026年09月24日(23:00:00)投稿開始:2026年09月10日(23:00:00)
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