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短編

愛しい娘

ねこまんまときみどりのことり

全1話[8,839文字] ヒューマンドラマ〔文芸〕
「僕は美しい物が好きなんだ。どうせなら、美しい娘を産んでみないか?」

何を言っているのだろう、この人は。

美しいも何も、何人産んだとて、今まで生まれた子と大差なんて出ないだろうに。

そこに耳を疑う言葉が、私アニエスの上に降り注がれた。

「僕の精子と傾国と言われる女性の卵子を、人工受精させて君の子宮に戻すんだ。君が産めば君の子だし、僕の精子であれば我がイクセント家の子に違いはない。………産んでくれないかなぁ?」

悪びれもせずに笑顔で囁く、金髪碧眼の麗しい顔かんばせの夫ロビンソン。

私達には息子も二人いるし、娘も一人いる。

もう子供は必要ではない今、人工受精など無用の長物なのに。

彼はただ言外に、私以外の女の子が欲しいと言っているのだ。それも美しい子が欲しいと。

その夜、私は泣いた。

声を殺して泣いていた。

夫は私のことを好きだと思っていたのに…………

私はすごい美女とまではいかないが、富裕階級の娘としてはそこそこ綺麗だと自負している。



勿論青色髪で薄桃色である私が、夫の美貌に太刀打ちなどは烏滸おこがましく、結婚も家格のバランスでなったものだ。それでもこの家の嫁として、妻として、母として尽くして来たつもりだ。


それなのに…………


この日から私は、夫のことを嫌いになり始めた。



それでも夫に逆らうことは出来ず、彼の指示する産科の門を叩くのだった。

ESN大賞7 人工受精 医師 義両親 義父 義母 異父兄弟 社長
全1話[8,839文字]
各話平均8,839文字
[推定読了0時間18分]
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最新作投稿:2024年07月29日(17:47:28)
 投稿開始:2024年07月29日(17:47:28)

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