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データ取得:2026-07-10未明

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大剣の冒険者

beck2026

全59話[56,080文字] ハイファンタジー〔ファンタジー〕 R15 残酷な描写有り
夕暮れ時のギルドは、いつもと変わらない喧騒に包まれていた。
 
酒杯を掲げる者、傷を労い合う者、明日の依頼を品定めする者。
 
その誰もが、時折、壁際に立てかけられた「それ」に視線を向ける。
 
身の丈を超えるほどに巨大な、鉄の塊。
 
幾多の戦場を駆け抜け、無数の魔物の血を吸ってきた、鈍い銀色の大剣。
 
かつてその大剣を軽々と振るい、誰よりも豪快に笑っていた男の姿は、もうそこにはない。
 
「……本当に、行っちまったんだな」
 
ひとりの若い冒険者が、ぽつりと呟いた。
 
「最前線の盾と矛になってやる」
 
そう言って笑い、常に誰かの前に立ち続けた男。
 
彼が最後に残した大きな背中は、ギルドの誰もが忘れられない、英雄の姿そのものだった。
 
男は言っていた。
 
圧倒的な力があれば、大抵の窮地は叩き潰せる、と。
 
だが、彼が本当に遺したのは、その力だけではない。
 
彼に命を救われ、その背中を追い続けた、多くの者たちの「心」だった。
 
バタン、とギルドの重い扉が開く。
 
入ってきたのは、かつてはひょろっとしていて、戦場で生きていけるか心配されていた若者だ。
 
いまや、その目には確かな覚悟の光が宿り、体つきも一回り逞しくなっている。
 
若者は、まっすぐに壁際の大剣へと歩み寄った。
 
その柄に、そっと手をかける。
 
並の人間では、持ち上げることすら不可能な重量。
 
じわりと、手のひらに鉄の冷たさと、これまでの歴史の重みが伝わってくる。
 
「……次は、俺が誰かの盾になる番だ」
 
若者は深く息を吸い、全身の筋力を込めて、その大剣を引き抜いた。
 
ずしりと響く重圧を受け止め、しっかりと足を踏みしめる。
 
ギルドの喧騒が、一瞬だけ静まり返った。
 
誰もが、新しい「大剣の冒険者」の誕生を、言葉もなく見守っている。
 
若者は大剣を背中に背負うと、受付の奥で微笑むスタッフに、小さく頷いて見せた。
 
そして、夕日が差し込む扉の向こうへと、力強く歩き出す。
 
かつての男がそうしたように、豪快で、どこまでもまっすぐな足跡を、新しく刻み込むために。

AI直接使用 R15 残酷な描写あり シリアス ダーク 男主人公 人外 魔法 冒険 日常 ダンジョン
全59話[56,080文字]
各話平均951文字
[推定読了1時間53分]
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最新作投稿:2026年07月09日(22:00:00)
 投稿開始:2026年06月14日(08:55:54)

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