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N3992HT 16pt
完結済

君に待つ花言葉

夜月 真

全15話[100,209文字] 現実世界〔恋愛〕
 いつからだろうか。僕が生きるふりをする、つまらない枯れた人間のようになってしまったのは。
 何を見ても面白いと感じず、楽しいということも年月が経つにつれて減っていってしまった。
 遠い昔の記憶はほとんどない。児童センターで記憶を無くした日から、僕は抜け殻のようになってしまったと母は言う。
 小学校低学年の頃、父は僕の記憶を追うように亡くなった。脳出血だった。
 時間が経ったとはいえ、幼い頃に多くのものを失った僕には、生きる方向を見失うほどの出来事だったのだ。
 僕は花になりたい。そよ風に吹かれ、美しい姿を持って人気のない場所で枯れて消えたい。
 月に憧れた日もあった。何もせずとも、世闇の中で光を放つだけで誰かに見てもらえる。
 僕は一生こんな人生なのだろうか。いいや、きっとそうなのだろう。
 消えてしまった幼少期の記憶は、幸いにも少しだけなら残っていた。だが、とても大切な何かが失われてしまった。とても大切だったと思う。
 ただ僕の心の中には、そんな薄っぺらな感情だけが根強く残っていたのだ。
 きっと来世でもこんな気持ちで僕は生まれ落ちるのだろうと、枯れた薔薇のように自分を悔やんだ。


※重複投稿

年の差 悲恋 日常 青春 コーヒー 人外 高校生 恋愛 現代 男主人公 ハッピーエンド 伏線
全15話[100,209文字]
各話平均6,681文字
[推定読了3時間21分]
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最新作投稿:2022年08月07日(14:01:14)
 投稿開始:2022年07月27日(22:34:35)

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