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N3853LM
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ギフト=サバイバル
山太郎
全5話[3,789文字] 空想科学〔SF〕
【プロローグ的あらすじ ──第1話に入るまで】
地軸変動と気候改変兵器の余波で、2040年代の日本列島は一年中“木枯らし”が吹く常時強風地帯となった。政府は暴風を逆手に取り、東京湾に高さ800mの中央塔と十万本の巨大風鈴アンテナを建設。塔内部の巨大オルゴール〈シリンダー〉を回転させることで、風向きも通信も一括制御できる「木枯らしシステム」を完成させた。
通信を独占した治安局は紙の郵便物を“違法ギフト”として全面禁止。電子検閲を逃れる唯一の手段――微細チップを漉き込んだ耐風紙――までも武装ドローン〈ラムダ〉で回収し、抵抗の芽を摘んでゆく。
2年前、体制を追っていたジャーナリスト・セキ=ミカが失踪。残された17歳の娘アイは、母の形見である掌サイズの手巻きオルゴールと、配達用自転車〈風神〉を頼りに違法ギフトを届ける“闇の配達員”となった。
一方、風鈴都市の上層階級で生まれ育った15歳の少年ユトリは、父親が粛清された夜に豪邸を脱出。暗号解析で日銭を稼ぎながら、中央塔に秘められた“真の停止コード”を探している。
2042年12月30日。反政府組織は年末最後の一手として「年賀状12通」に塔のシステム停止手順を分割暗号化し、各地の配達員に託した。――同日深夜、アイのもとにも密封コンテナが届く。
政府側は年賀状奪取の特別作戦〈ORGEL〉を発令。“木枯らし”ケイが指揮を執り、ドローン群ラムダを都市全域へ放つ。木枯らしシステムの次回フル起動は大晦日16時。カウントダウンはすでに始まっていた。
夜が明けて12月31日午前5時──
灰色の空を裂き、アイは十二通の年賀状を荷台に括りつけて走り出す。
ここから先が、第1話「最後の年賀状」で語られる物語である。
地軸変動と気候改変兵器の余波で、2040年代の日本列島は一年中“木枯らし”が吹く常時強風地帯となった。政府は暴風を逆手に取り、東京湾に高さ800mの中央塔と十万本の巨大風鈴アンテナを建設。塔内部の巨大オルゴール〈シリンダー〉を回転させることで、風向きも通信も一括制御できる「木枯らしシステム」を完成させた。
通信を独占した治安局は紙の郵便物を“違法ギフト”として全面禁止。電子検閲を逃れる唯一の手段――微細チップを漉き込んだ耐風紙――までも武装ドローン〈ラムダ〉で回収し、抵抗の芽を摘んでゆく。
2年前、体制を追っていたジャーナリスト・セキ=ミカが失踪。残された17歳の娘アイは、母の形見である掌サイズの手巻きオルゴールと、配達用自転車〈風神〉を頼りに違法ギフトを届ける“闇の配達員”となった。
一方、風鈴都市の上層階級で生まれ育った15歳の少年ユトリは、父親が粛清された夜に豪邸を脱出。暗号解析で日銭を稼ぎながら、中央塔に秘められた“真の停止コード”を探している。
2042年12月30日。反政府組織は年末最後の一手として「年賀状12通」に塔のシステム停止手順を分割暗号化し、各地の配達員に託した。――同日深夜、アイのもとにも密封コンテナが届く。
政府側は年賀状奪取の特別作戦〈ORGEL〉を発令。“木枯らし”ケイが指揮を執り、ドローン群ラムダを都市全域へ放つ。木枯らしシステムの次回フル起動は大晦日16時。カウントダウンはすでに始まっていた。
夜が明けて12月31日午前5時──
灰色の空を裂き、アイは十二通の年賀状を荷台に括りつけて走り出す。
ここから先が、第1話「最後の年賀状」で語られる物語である。
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冬童話2026
全5話[3,789文字]
(各話平均758文字)
[推定読了0時間8分]
お気に入り登録:0件
投稿開始:2025年12月12日(13:14:48)
(各話平均758文字)
[推定読了0時間8分]
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最新作投稿:2025年12月14日(07:00:00)投稿開始:2025年12月12日(13:14:48)
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