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データ取得:2024/03/29未明

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N2727FS 15pt
完結済

望まぬ称号──龍を使う長と、その剣

あつろ

全19話[84,038文字] ハイファンタジー〔ファンタジー〕 R15 残酷な描写有り
「私を剣と使うがいい」


血溜まりから拾い上げた男は、惑う彼女にそう囁いた。

故郷を踏み躙られたくなくて受けて立った戦いは、けれど敗色が濃厚だ。
ただ人死にを増やして滅ぶべきか、矜持を捨てて生き延びるべきか、できる選択は二つに一つだったはずなのに。

何の気紛れかは知らないが差し伸べられた手は、きっと彼女が有するすべてを放り出しても望むほどの威力。
一も二もなく飛びついていいはずを素直に喜べない理由は、相手の姿にあった。



部分的に身体を覆う鱗、片方だけの角、火眼金睛。



明らかな異形である彼は、死にたがるほどに自身の姿を厭っていた。
知りながら戦場で目立てと請うのはあまりに酷で、それを目当てに助けたと言われるのも癪だった。

「よせ。私には何も対価が支払えぬ。くれてやれるとすればただ、お前が望まぬ龍の名のみだ」
「私もお前に差し出せるのは、血腥い勝利だけだ」

けれど人死には減らせるの言葉は、天秤を傾けるほどには重かった。


苦渋の決断を下した彼女は、後に呼ばれる。災厄を撒く龍使い、と。
望んで龍に身を窶した剣は、果たして龍の名以外の何かを得られるのだろうか。




この作品の一部は、「言の葉工房 織奏」に掲載しています。

R15 残酷な描写あり 異形 長と龍 精霊使い
全19話[84,038文字]
各話平均4,423文字
[推定読了2時間49分]
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評価人数:2人(平均3.3pt)

最新作投稿:2019年09月13日(22:31:23)
 投稿開始:2019年08月25日(23:04:47)


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