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N2525EG
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呑み屋小路の隠れ宮
齋藤 一明
全9話[85,243文字] 純文学〔文芸〕
私は二年ほど前に定年を迎え、とりたてて何をするでもなく日々をついやしている。費やすというと惰性でいきているようだが、実際にこれという目標がないのだから、敢えてそう言うことにしている。
そんな私の唯一の努めは、定期的に通院することだ。初期の糖尿病は我慢できるとして、痛めた膝は我慢できないので、強情を張らずに通院していた。
ある日、電車を降りたはいいがバスは発車したばかり。一時間ほど時間つぶしを余儀なくされた。
フラフラ足を向けた商店街は、いつの間にか櫛の歯が欠けたようにシャッターを下ろしていて、駅前の呑み屋街も、二つのうちの片方はすべて閉鎖。もう片方も半分ちかくが閉鎖されていた。寂しい町になってしまったとがっかりしていたら、一枚の貼紙が目についた。注連縄が張ってある門口に、『成人病対策 遺伝療法』とだけ書かれていた。
翌週、またしてもバスに乗り遅れた私は、そこで治療を受けることになった。
その効果は驚くほど早くあらわれ、ほどなく全快してしまったのだが、治療には副作用があった。そのせいで、厄介なできごとにまきこまれてしまう。
そんな私の唯一の努めは、定期的に通院することだ。初期の糖尿病は我慢できるとして、痛めた膝は我慢できないので、強情を張らずに通院していた。
ある日、電車を降りたはいいがバスは発車したばかり。一時間ほど時間つぶしを余儀なくされた。
フラフラ足を向けた商店街は、いつの間にか櫛の歯が欠けたようにシャッターを下ろしていて、駅前の呑み屋街も、二つのうちの片方はすべて閉鎖。もう片方も半分ちかくが閉鎖されていた。寂しい町になってしまったとがっかりしていたら、一枚の貼紙が目についた。注連縄が張ってある門口に、『成人病対策 遺伝療法』とだけ書かれていた。
翌週、またしてもバスに乗り遅れた私は、そこで治療を受けることになった。
その効果は驚くほど早くあらわれ、ほどなく全快してしまったのだが、治療には副作用があった。そのせいで、厄介なできごとにまきこまれてしまう。
シャッター街
養子縁組
経済戦争
小判
京ことば
大人向き
全9話[85,243文字]
(各話平均9,471文字)
[推定読了2時間51分]
お気に入り登録:9件
投稿開始:2017年09月12日(20:14:18)
投稿期間:1ヶ月
(各話平均9,471文字)
[推定読了2時間51分]
お気に入り登録:9件
評価人数:5人(平均3.9pt)
最新作投稿:2017年11月04日(18:59:17)投稿開始:2017年09月12日(20:14:18)
投稿期間:1ヶ月
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