データ取得:2025/12/18未明
おしらせ
▷新ツール『時間毎PVカウント保存ツール』是非登録お願いします。
完結済
SHEEP:ヤスコ先生の恋人。
樫山泰士
全145話[372,014文字] ローファンタジー〔ファンタジー〕ご無沙汰しております。
先日、そちらの近所を歩いていたら、とてもきれいな果実を見かけました。赤味をおびた黄色の果実で、ふるいお家の垣根の庭が、なんだか華やぐようでした。
その時の僕は、そのきれいな果実に、目をうばわれるだけうばわれていて、それに気づいたのは、そこを通り過ぎたあと、そのあと行った図書館でのことでした。分かりますよね? 神社の向かいの、あの図書館です。
心には下ゆく水のわきかへり 言はで思ふぞ言ふにまされる
さて。この歌は、『古今和歌六帖』という歌集にのっている歌だそうで、『枕草子』で清少納言が――と、こんなことは書かなくても、先生ならご存知のことかとは想いますけれど、あの図書館の司書のかた曰く、この歌を読み解くには、『古今集』のこちらの歌も知っておく必要があるということでした。
山吹の花色衣ぬしや誰 問へど答へずくちなしにして
つまり、最初の歌の「言はで思ふぞ」と、こちらの歌の「くちなし (口無し)」とはかかっていて――これも僕は初めて知ったのですが――どうやら、僕らの知っている「山吹色」は「くちなし色」とも言われるそうで、それでつまり、ここの「山吹の花色衣」という句も、最後の「くちなし」とかけられているのだそうです――が、ちゃんと説明出来ているかな? 分かりにくかったら、ごめんなさい。
と、それはさておき。ここで話は最初に戻るのですが、先日僕が見かけた、ふるいお家の垣根の庭で見かけた、あのキレイな果実、あれは、あの夏の日の朝、あなたに教えてもらった、あの、しろい花の木になる実のようなのです。
あんな白い花の木に、あんな黄色の果実がなって、とてもきれいな黄色の布を染めることになるのだそうで――もう、秋なんですね。
それでは最後に。くちなしついでに、図書館の司書さんから紹介された本にはいっていた歌を、もうひとつ。
くちなしの 実の朱くなり きみ恋し
どうか、お体に気を付けて。
敬具
(各話平均2,566文字)
[推定読了12時間25分]
お気に入り登録:3件
評価人数:2人(平均4pt)
最新作投稿:2025年01月12日(18:10:00)投稿開始:2024年09月29日(18:10:00)
投稿期間:3ヶ月
ただいま集計作業中
02:30頃までこの欄は表示されません
短編
[N8816IG]
エミリーにバラを/あるいはなにか適切な助言を
完結済
[N5376IP]
2010.06.26.東石神井トーチウッダーズ
連載中
[N4888KL]
転生者たち~時空の終わりとソウルフルネス・ワンダーランド~
短編
[N0879IG]
ゾウリンダイ星BOW土建株式会社本社内部監察室室長代理兼惑星地球破壊特別顧問ヘー・リンダイ氏による事前通告。
完結済
[N8501IP]
クロエへ/わたしはあなたの、すくわれたこころです。
完結済
[N7426IC]
ネコとクジラと311のひょこひょこおじさん
短編
[N0064IQ]
羊飼いと少年:こころから愛した男を、殺さざるを得なかった男の話。
完結済
[N2198IR]
カトリーヌ・ド・猪熊のバラの時代
短編
[N6466IP]
きっとかわいい、おんなの子だから。
完結済
[N2303IQ]
夢、それはドリーム。
短編
[N4030LI]
佐倉八千代とクリスマス・ストーリー
短編
[N8968IF]
おのこ背中にゃ十六夜の いまもさかりと紅かえで ちとせやちとせ とわには居れぬ いまこそ群れ居 あそぶめれ

