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データ取得:2025-06-12未明

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N2019KP 28pt
短編.

寝言

雉白書屋

全1話[1,578文字] ヒューマンドラマ〔文芸〕
 とある夜、駅舎から出た男は足を止め、ぐるりと周囲を見渡した。そして、スーツの袖を軽く押し上げ、腕時計に目を落とす。

 五時二分……あと三分か。
 いや、おれは何やってんだろうな。こんなことで早引けしてくるなんて。しかも課長に嫌味まで言われて……クソッ、あの野郎。思い出したら腹が立ってきた……。
 男は苛立ちながら、再び駅前の通りを見回した。
 そろそろだ。たしか、妻の寝言では――午後五時五分、駅前、赤い車、四十代男性、轢かれて死ぬ――だったはず……あっ!



「あら、あなた、おかえりなさい。今日は早かったのね」

 家に帰ると、妻がソファで伸びをしながら言った。男は視線を逸らし、もごもごと答える。

全1話[1,578文字]
各話平均1,578文字
[推定読了0時間4分]
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評価人数:3人(平均4.7pt)

最新作投稿:2025年06月11日(11:00:00)
 投稿開始:2025年06月11日(11:00:00)

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