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灰色の誓い

イスコ

全2話[2,155文字] 異世界〔恋愛〕
町の境界には、見えない壁がある。
精霊種が越えれば矢が飛び、獣人が近づけば扉が閉ざされる。
それが、この「グリムアーク」――種族の違いが、血の匂いを生む町だった。

主人公・リアンは、町の外れにある小さな書庫の番人だった。彼は一見人間のように見えるが、実はエルフと人間の混血――いわゆる「交種(ハーフ)」だった。過去の戦争で交種は裏切り者とされ、いまや町ではもっとも忌み嫌われる存在になっていた。

数年前、獣人族の襲撃事件が起きたとき、リアンは町に唯一残された「中立者」として、ある特別な権利――古代評議会によって与えられた「和解の印章(メディア・シギル)」を行使する資格があった。それを使えば、争いを止めることも、精霊や獣人に保護を与えることもできた。

けれど彼は、何もせずに黙っていた。

結果、数十名の命が失われ、彼は「沈黙の裏切者」として全てを失った。仕事も、名誉も、恋も。かつて想いを寄せてくれていた、貴族の娘リュシアも彼のもとを去った。

あれから三年。
冬の初め、彼の前に一人の旅の精霊術師が現れる。名をミリエル。異邦から来たという彼女は、かつての獣人襲撃の現場で、ある奇妙な光を見たと語る。それは、「和解の印章」が発動する時にのみ現れる青い花火だったという。

「あなた……本当は、あのとき権利を使っていたのでしょう?」

リアンは黙って本を棚に戻す。

「それが誰かを守ったなら、なぜ黙っていたの?」

「……黙っていたんじゃない。伝えてはいけなかったんだ。あれは、ある一人の命を救うための取引だった」

取引の相手、それは町の長官――そしてかつての恋人、リュシアの父だった。

物語は、彼の沈黙の裏側にあった真実と、ミリエルとの恋、そして再び町を巻き込む種族間の陰謀へと進んでいく。

だがその中で、リアンは再び「権利」を手にする。
今度は、愛のために。

全2話[2,155文字]
各話平均1,078文字
[推定読了0時間5分]
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最新作投稿:2025年06月16日(17:25:42)
 投稿開始:2025年06月16日(17:24:41)

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