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データ取得:2024/05/07未明

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N1402HR 10pt
完結済

月の落とし方

全6話[14,571文字] 現実世界〔恋愛〕 R15
「牡丹さん。僕と一緒になってください。──さもないと、僕は月を落とします」

 カメラの録画を切る。基地の中は衣擦れの音すら聞こえない。当然だ。最早この基地には僕しか残されていない。脇に携えたマシンガンを下ろして、震える自分の鳩尾に手を添える。
 寒い──はずは、ないんだけどな。
 じっとり湿った目出し帽を脱いで顔を拭う。基地の外へ向けて大きく開けた分厚い強化ガラスの奥には月面の灰がのぞく。それに視線を這わせてさらにその向こう、彼女の住まう地球を眺める。彼女を思う。愛しいとさえよべない彼女を思う。
 ここからでは月が見えない。
 夜を留める、あの月が。

[テーマを決めて寄稿する、有志さらし文学賞に投稿したものです。改稿版。テーマ【初恋】URL:https://obog2020.blog.fc2.com/blog-entry-70.html]

R15 初恋
全6話[14,571文字]
各話平均2,429文字
[推定読了0時間30分]
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評価人数:1人(平均5pt)

最新作投稿:2022年06月07日(22:40:13)
 投稿開始:2022年06月05日(20:00:00)


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