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今夜はから騒ぎ

陸一 じゅん

全4話[7,552文字] ヒューマンドラマ〔文芸〕
化け猫噺家、七代目 月見亭 鈴生(すずなり)師匠には、三人の弟子がいた。
一番弟子の九口(くくち)、三番弟子の細波(さざなみ)、そして今回の主役。二番弟子、鈴也の実娘・七星(ななほし)である。
川向こうの劇場主・虎次郎(こじろう)との縁談を勝手に決めた父に反発した七星。
一流になりたい噺家になりたい七星を救うため、弟子たちはここに団結した。

「師匠が我らの【合作】の新作落語を『おもしろい』とおっしゃったら、嫁入りと破門は無し。いいでござんすね? 」
「ふん。いいだろう! やってみろイ! 」

 『狐七化け 狸八化け』と申します。
 日本古来より、『化かし』の二大巨頭といえばという諺(ことわざ)でございますが、昔ばなしにおきましては、イタチやかわうそ、そして猫なども『化ける』といいました。
 大陸のほうまで手を広げますと、熊も、鹿も、虎も、獅子も、のみならず道端(みちばた)の草花や小石までもが、じつに節操なしに妖力をもって人間社会に紛れ込み、ときにいたずらを、ときに人と恋に落ち、ときに化かして食うという昔ばなしが多数ございまして、これは動物も植物も進化論が唱えられるずうっと以前から、生命(いのち)あるものには心あるとして受け入れられてきたということなのでしょう。
 さて。
 今日(こんにち)お話いたしますのは『猫』についてでございます。
 九つの命を持つとも、年を経て知恵を得ると、尻尾が二又に裂けるとも。
 犬と比べますと、猫という生き物は、賢(さか)しいイメージが付きまとうようです。
 気まぐれな性質(たち)や、高いところから人を見下ろしているようすからして、連想されたものでございましょう。
 比較される犬が、主への忠誠心を主だった魅力として上げられることを考えますと、あえて猫を選ぶ人間は、気位が高いその様子を愛しているわけであります。
 しかし彼らは、けっして薄情者というわけではございません。
 これは一匹の猫が、未来を掴むするまでのお噺でございます。

伝奇 時代小説 怪談 化け猫 落語 ほのぼの 花魁 噺家
全4話[7,552文字]
各話平均1,888文字
[推定読了0時間16分]
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最新作投稿:2022年01月22日(23:06:45)
 投稿開始:2022年01月22日(23:01:04)


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