Nコードで小説の詳細情報を検索
ちょっと面倒だなという方へ

データ取得:2024/09/17未明

おしらせ

新ツール『時間毎PVカウント保存ツール』是非登録お願いします。

N0990JI 54pt
完結済

ジタバタしてるだけに見える 短編を纏めたものです

ねこまんまときみどりのことり

全2話[24,074文字] ヒューマンドラマ〔文芸〕
 「あれ? 私どうなったのかしら?」

私は、メイドとして働いていた伯爵家で倒れていた。
正確に言えば、ここの家のお嬢様に足をかけられて、転んだのだ。



私はリビドー・ダンロ男爵の庶子アガサ。
母が亡くなり引き取られたが、男爵夫人マーブル様は優しい人だった。
「女はいつの時代でも生き辛いわね。私も父の言うままにここに嫁ぎ、夫になった男には何も言えないのよ」

なんて疲れた顔をして、明け透けな話もしてくれていた。気心が知れる程好きになり、私は本当の母のように家事や身の回りのことを手伝い尽くした。一人でも味方がいるのは、とても嬉しいことだった。
逆に血の繋がった筈の、リビドー様の顔を見たのは数える程度だ。

リビドー様はマーブル様のことはほったらかしで、多くの愛人を囲っている。本邸であるここに、戻ることは殆どない。

領地経営はマーブル様が行い、本人は社交と言って遊んでいるだけ。親に決められた結婚を嫌がり、マーブル様には指一本も触れていないそうだ。当然子供もいない。


かと言って平民庶子の私が、後を継ぐことはないと思う。
きっと政略結婚と言う駒に使うつもりだろう。
そうでなければ、今まで歯牙にもかけず祖母と暮らしていた私を、15歳になってから引き離すことはない。
そのことをマーブル様も気づいているのだ。
何か月か過ぎた頃、マーブル様がこう告げてきた。


「貴女は外で働いて、お金を貯めなさい。いつでも此処から逃げられるように。大丈夫よ、リビドー様には学校に行ってるとでも言っておくから」

私は瞬いてマーブル様を見た。
頷くマーブル様は言う。
「貴女は逃げなさい。何の誓約もないのだから」

その話をした後、伯爵家への仕事の紹介状を渡してくれたのだ。

ネトコン12 孤児 孤児院 伯爵 伯爵令嬢 侯爵 侯爵令息 男爵 嫉妬 姉妹
全2話[24,074文字]
各話平均12,037文字
[推定読了0時間49分]
お気に入り登録:6件

評価人数:5人(平均4.2pt)

最新作投稿:2024年07月24日(13:45:51)
 投稿開始:2024年07月24日(13:45:42)


ページのトップへ戻る