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『24時間の奇跡と168時間の地獄』―命を削るヒーラーの値上げ戦略―

中村 渉

全1話[3,464文字] ヒューマンドラマ〔文芸〕
他人の病気や怪我を、24時間だけ完全に治すことができる。
そんな神様のような能力を持つ青年・湊(みなと)の人生は、決して輝かしいものではなかった。
なぜなら、奇跡の魔法が解けたあとの1週間(168時間)、湊自身が患者の抱えていた病気や怪我の苦痛を、そっくりそのまま「代償」として肩代わりし、寝込まなければならないという残酷なルールがあったからだ。
自分の命に価値を見出せない湊は、わずか5万円という端金で他人の病気を引き受け、狭いアパートのベッドで苦痛にのたうち回る、自堕落で虚無的な日々を送っていた。
しかし、そんな彼の前に芽衣(めい)が現れたことで、運命は大きく動き出す。
湊の能力の安売りを見かねた芽衣は、自ら専属マネージャーを名乗り出て、奇跡の価格を「1回最低50万円」に設定。そして、月に1度の依頼と、残りの3週間の自由という新たな条件を湊に突きつける。
五十万円、あるいは特急料金の百万円。
その途方もない金額を払ってでも「健康な24時間」を求めるのは、現代医学に見放された難病の妻、洗脳によって治療を拒まれた宗教2世の少女、不登校に苦しむ中学生など、深い絶望の淵に立たされた人々ばかりだった。

湊は彼らの重すぎる病魔や心の闇を自らの身体に引き受け、文字通り命を削る1週間を過ごしていく。
だが、その壮絶な痛みの代償に苦しむ中で、湊は人間の「心と身体の繋がり」という隠された真理に気づき始める。
東洋医学の思想に触れ、ただ痛みのゴミ箱になるのではなく、病の本当の『声』に耳を傾けようと探求を始める湊。
果たして、一時しのぎの「奇跡」を切り売りする彼は、絶望を抱える人々を、そして呪いのような代償に縛られた自分自身の人生を、本当の意味で救うことができるのか——。
命の価値と、生きる意味を問う、異色の医療ヒューマンドラマ。

OVL大賞11 ネトコン14 アイリスIF8大賞 ESN大賞10 春チャレンジ2026 男主人公 現代 職業もの 魔法 日常 ハッピーエンド 超能力 奇跡の代償 難病・余命宣告 医療ヒューマンドラマ
全1話[3,464文字]
各話平均3,464文字
[推定読了0時間7分]
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最新作投稿:2026年03月03日(08:15:24)
 投稿開始:2026年03月03日(08:15:24)


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